みんな、クリスマスは楽しんだかな?
おじさんは仕事だったゾ。
サンタクロースは来てくれたかな?
おじさんは結構いい子にしていたのに、
起きたら枕元にビールの空き缶が転がってただけだったゾ。
ずっと欲しかったプレゼントは手に入ったかな?
おじさんは仕事帰りに、給料が出た喜びで、
ずっと欲しかった『真説 The World Is Mine』全巻と
『不安の種』全巻を買ったら、書店員さんが、
「クリスマスラップに致しますか?」と聞いてきたので、
「そんなわけねーだろ!彼女にあげるにしても、年に一度の
クリスマスにこれを欲しがる彼女なんか全力で嫌だよ!
バリバリに病みすぎだよ!あと子供にプレゼントだとしたら、
確実に性格捻じ曲がるよ!!」と叫ぼうと思ったけど、
普通に「結構です」って言ったよ。
さて、世間はクリスマス。そういうことで、クリスマスに
纏わる話を二つ程。
おじさんは仕事だったゾ。
サンタクロースは来てくれたかな?
おじさんは結構いい子にしていたのに、
起きたら枕元にビールの空き缶が転がってただけだったゾ。
ずっと欲しかったプレゼントは手に入ったかな?
おじさんは仕事帰りに、給料が出た喜びで、
ずっと欲しかった『真説 The World Is Mine』全巻と
『不安の種』全巻を買ったら、書店員さんが、
「クリスマスラップに致しますか?」と聞いてきたので、
「そんなわけねーだろ!彼女にあげるにしても、年に一度の
クリスマスにこれを欲しがる彼女なんか全力で嫌だよ!
バリバリに病みすぎだよ!あと子供にプレゼントだとしたら、
確実に性格捻じ曲がるよ!!」と叫ぼうと思ったけど、
普通に「結構です」って言ったよ。
さて、世間はクリスマス。そういうことで、クリスマスに
纏わる話を二つ程。
私の職場は、小さいお子さんを抱える人が多い。
というわけで、クリスマスの朝は、皆寝不足気味だ。
(なんで?と思った、お子様へ。
お父さん達もクリスマスははしゃぎすぎて、寝不足になっちゃうのさ。
先輩が「昨日、子供がワクワクしすぎて朝五時まで起きてたから一睡もしてない」
と青白い顔して言ってたので、クリスマスの夜は早く寝てあげて!)
「何あげたんスか?」と聞くと、答えは様々だ。
流行の特撮ヒーローのグッズだったり、ゲームソフトだったり、
お人形だったりぬいぐるみだったり。
皆さん、多少眠そうにしながら、それぞれ何をあげたかを
話してくれる。プレゼントは様々だが、皆さん、話をする中で、
一つだけ、共通点があった。
「今日、子供、朝から凄いテンションあがってたよ」
作戦が的中した策士の如く、ニヤリと笑う皆さんの顔を見ながら、
私はやはり、クリスマスが嫌いになれないなと思った。
もう一つ。
去年の暮れ、友人から電話がかかってきた。
年内には厳しいが、年を開けたら、久しぶりに
皆で新年会でも開こうじゃないかという誘いの電話だった。
私は誘いを優雅に断りつつ(金が無かったのだ。今も無いけど)
近況報告をした。
「まあ、そんな感じで慌しい毎日だよ。そっちはどう?」
「うーん・・・。まあ、普通だよ」
どうも友人の歯切れが悪い。友人は10代に結婚し、
今は6歳になる子供がいる。奥さんは料理上手で、
仕事も、家業をついで立派にやっている。
基本は前向きな男で、どんなことがあっても
弱音を吐いたりしないのだが、声に少し迷いがある。
焦燥しきった、というわけではないが、何か悩みでもありそうだ。
「どうしたよ。仕事か?家族か?」
率直に聞いてみる。
「うーん・・・。家族だなぁ」
「嫁さんか?それとも子供か?」
「ガキの方だなぁ。あ、でも別に、病気とかそういうんじゃないよ」
ほっと胸をなでおろす。
「ついでだから、お前に相談するかぁ。俺、正しかったのかなぁ・・?」
友人は、訥々と語りだした。
「うちのガキ、6歳なんだけどさ、サンタクロースを信じてるんだよ」
「んむ。いいじゃないか」
「おう。いいことだよ。サンタを信じてたって、信じてなくたって、
良くも悪くも無いんだろうけどさ、なんとなくいいことだって思うんだよ」
「そうだな。ふむ。夢があるってのは、良いことだ。だけど、
別に信じてなくたって、悪いことじゃない。夢見がちなのは、
確かにステレオタイプな子供の象徴だ。だけど、それで
良い子悪い子の判断は出来ない。単なる、その子供の情報が少ない
親以外の大人が、その子供を無邪気かそうでないかを判断するだけだな。
ふむ。面白い。「夢を見ることが大事」という文句に、理想の夢と、
空想の夢を混同されているけど、あまり誰も指摘しないケースだな。
うん。面白い。俺好みだ。」
「話続けていいか?」
「おう。どうぞどうぞ。つまりサンタを信じている自分の子供が、
周りの大人に、無邪気で良いわねなんて言われていることに、
うちの子供の何がわかるんだと、憤りを感じてるわけだなキミは」
「いや、全然違うんだけど」
「違うんかい」
話を端折ると、友人の子供は、サンタクロースを信じているが、
友達に「サンタはお父さんだ」という衝撃の事実に、
彼が生を受けて最初の(最初かどうかは知らないが)
真実と虚構の狭間に立たされたらしい。
友人の子供は、かなりぐらついた結果、
クリスマス前に、家捜しをすることにしたらしい。
「プレゼントを捜す!って言いながらさ、
タンスを開けたり、物置を捜したり。
なんだか、おもちゃを捜してる筈なのに、
一箇所探す度に、プレゼントが見つからないことに、
ちょっとホッとしているように見えるんだよ」
友人は、その小さな背中を見つめながら、
なんとしてでも、サンタクロースという虚構を
守り続けることを誓ったらしい。
「で、プレゼントはどこに隠したんだ?」
「二段組みの押入れの、一番上。手が届かないところに隠しておいた」
「手が込んでるな」
「親にとっちゃ、常識だぜ?」
クリスマスイヴの夜、不自然にならない程度に子供を早く寝かしつける
友人を想像して、少し笑う。中学生の頃、尾崎豊を聴きながら
大人を憎み続けた彼が、立派な大人をやっていることに
可笑しさと美しさを同時に感じる。
「で、子供が寝て、2時間ぐらい立ったからさ、
プレゼントを持っていったんだよ」
「お前一人で? 奥さんは?」
「駄目だ。うちのカミサン、子供の寝顔を見るとクスクス笑っちゃうんだ」
「そいつは、サンタ失格だな。でも、よくわかんないけど、
多分親としちゃ合格なんだろうな」
「おう。ハナマルだと思う。俺もまだよくわかんないけど」
「それで、お前さんがプレゼントを持って行ったら、子供が起きてたとか?」
「いや、ばっちり寝てた。絶対寝てた。だから俺はこっそりプレゼントを置いた」
「ふむ。大成功じゃないか」
「うん。大成功だと思ったら、子供が、ウウンと寝返りを打ったんだ。
で、嫌な予感がして、振り返ったらさ、目を覚まして、こっちを見てるんだ」
「あちゃあ・・・」
友人は、弱電灯の中できらめく子供の瞳が、微かに色あせたのを見たらしい。
「失望っていうのとはちょっと違うんだな。おもちゃがもらえて嬉しいけど、
お父さんだったんだ・・ていう、そういう微妙な表情だった。
うーん・・。上手く言えないけど、大人の笑い方って言うのかなぁ?」
「なんとなく、わかるよ。しかし、バレちゃったか。マズったなぁ。
それで、それをお前さんは心を痛めてるわけか?」
「いや、そうじゃないんだ」
話は、まだ続くらしい。
「俺は、よくわからないけど、嫌だったんだ。親のエゴかもしれないけど、
子供がそういう顔をするのが。今考えると、寂しかったんだと思う。
そういう、俺の知らない、顔をするのが」
「うん」
「だから、俺は、絶対ここはバレちゃならねえ、サンタはいるって
信じさせなきゃと思ってさ・・・」
「ふむ」
「そのままプレゼントにスライディングタックルして、
『これはお父さんのもんだー!』って叫んだ」
「え?」
「いやさ・・『お父さんが先に見つけたから、お父さんのだ!』って」
「・・お前さぁ、昔から思ってたけど、バカだよね」
「いや、俺も動転してたんだよ」
「子供はもっと動転しただろうに」
「うん。目を白黒させてた。その場でプレゼントの包みを開けて、
『やったああああ!プラレールだああああ!』って叫んだら、
子供もやっと我に帰ったらしくて、プレゼントに飛びついてきて、
『僕んだ!サンタさんが僕にくれたんだ!』って」
「おお。上手くいったのか・・・色々間違ってるが」
「うん。だから俺も、『いや、お父さんのだ!』って」
「なんで小芝居続けんだよ!」
「生半可だとバレるんだよ!鋭いんだようちのガキ!」
「で、どうした」
「俺もわけわかんなくなって、お父さんのだー!って言い続けたら、
子供が泣き出して、かみさんが部屋に来て、唖然としてた」
「そりゃするわなぁ」
「で、かみさんが上手く、俺を叱ってくれて、プラレールは子供に渡した」
「おお。大したもんだ」
「それ以来、子供が口利いてくれねえんだよ・・・」
「・・・。お前は、本当にバカだなぁ」
「親失格かなぁ?」
「そこらへんはよくわかんねえけど、失格か合格とかもわかんねえし、
子供にトラウマが残ってるかどうかもよくわかんねえけどさ、
なんとなく、大丈夫じゃねえかな。そういう家族って」
「うーん・・。そうかなぁ?」
「きっと、そうだよ」
結局、彼は数日後に迎えたお正月、少し多めのお年玉を渡すことで
親子喧嘩に終止符を打ったらしい。
そして今年のイヴの夜、「今年は上手くやる!」という文面と共に。
立派なサンタ服を着て、プレゼント片手に満面と笑う彼の写メールが、
夜の11時に届いた。彼の思惑通りに事が運んだかはわからないが、
なんとなく、彼と彼の家族は、大丈夫だと思った。
やっぱり、私はクリスマスが嫌いになれない。
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